在職老齢年金未払いの報道について
先日、厚生労働省から在職老齢年金の未払いがあったことが発表されました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080829-OYT1T00684.htm
セルズサポートでは、これら内容の調査をすべく、厚生労働省をはじめとする関係部署に問い合わせたところ、未払額は雇用継続調整金(年金からカットされる金額)が多く計算されていたということが判明しました。
弊社では、これら報道に関連する
在職老齢年金・雇用継続給付の賃金シミュレーションソフト「最適給与」を
発売しています。
今回の在職老齢年金の給付金に算定ミスがあった原因は、雇用継続調整金(年金からカットされる金額)を計算する際の、賃金ダウン率の計算方法に問題がありました。
通常、60歳時到達時賃金には上限額がありますが、上限額を超えた金額で雇用継続調整金を計算してしまったため、在職老齢年金の未払いが発生しました。
最適給与では、「60歳時到達時賃金」を入力する際に
限度額を超えて入力しても、計算ボタンを押すと
「上限額をこえています」
というメッセージが表示されるようになっていますので上限額を超えて入力する心配がなく、計算も問題ございませんので、本ソフトのシミュレーションは正しく計算されております。
安心して引き続きご利用ください。
下記は、どのような計算で未払いなるのかを説明しておりますのでご参考までにご覧ください。
雇用継続調整金とは、雇用継続給付金を受ける方が対象で年金額から少しだけカットする制度で、まずダウン率というものを計算します。
ダウン率=現在の賃金/60歳時の到達時賃金×100
このダウン率を下記の既定の計算式にあてはめて計算します。
このダウン率が低いほど、雇用継続調整金は多くなります。
既定の計算式
60歳以降の標準報酬月額×(-183×A+13725)/(280×A)×0.4
「A=ダウン率」
上記でもご説明のように、60歳時の到達時賃金には限度額があり2008年9月1日現在では、上限額は「449,400円」となっています。
例えば60歳時の給料が470,000円の場合でも、
ダウン率を計算する場合は、449,400円で計算しないといけません。
それを誤って470,000円で計算することで未払い額が発生します。
例 60歳の賃金470,000円 60歳以降の賃金300,000円
正しい計算
ダウン率=300,000÷449,400=66.76%
300,000円×(-183×66.76+13725)/(280×66.76)×0.4
=9,680(雇用継続調整金)
誤った計算
ダウン率=300,000÷470,000=63.83%
300,000円×(-183×63.83+13725)/(280×63.83)×0.4
=13,725(雇用継続調整金)
よって13,725-9,680=4,045
毎月未払いという結果になります。